当院における人工関節手術を受けられる方のリハビリテーション


1.はじめに
     当院では人工股関節・膝関節の手術を受けられる方に、術後3週間で退院していただけることを目標としています。痛みの軽減、歩行の獲得はもちろん、日常生活動作の指導や家屋の改造に至るまできめ細かな指導を同時に進めながら、退院後、早期より質の高い日常生活を送っていただけるよう総合的な治療を行っています。以下、簡単にリハビリテーションの流れをご説明致します。


2.手術前に
     手術前に5日間ほど自己血摂取のため入院される場合は、同時にリハビリテーションの術前指導も行います。術後のリハビリの流れ、術前の身体機能の評価、術前の日常生活や家庭環境の問診、介護保険サービス(適応者のみ)の説明、再入院までの家庭でできる訓練の指導を行います。


3.手術後は
     手術が終わり次第、理学療法士がベッド上での足の位置管理、循環障害及び神経麻痺予防のための運動の指導、床ずれ予防のため除圧法の指導をします。   翌日から関節角度の拡大やベッドを起こすことで、股関節の曲げる角度を早期より確保し、車椅子乗車に向けての準備をします。   

   2日目は、すわることができ、車椅子乗車へと移行します。さらにトイレ動作の練習をし、ベッドまわりの生活の自立を目指します。   

   3日目より、リハビリテーション室で、つかまり立ち・歩行を開始します。足の痛みに応じて荷重量の調節をし、平均すると術後1週間程度で歩行器での歩行が獲得され、術後2週間程度でほとんどの方が杖歩行が可能となります。   

   最後の1週間は杖歩行の安定性や実用性を高め、歩行姿勢の改善を目指し、さらに日常生活動作の練習をします。例えば、階段昇降、入浴動作などや、可能な方は正座、床への座りこみ、和室での日常生活、自転車駆動などです。同時に、脱臼を生じないための注意点を実際の動作を交えながら練習して行きます。   この際問題となるような点に関しては、補助器具の購入をお勧めしたり、場合によっては家屋改造の指導を行ったりする場合もあります。


4.退院前に
     退院後に継続的なリハビリをすることにより、さらなる機能回復が望めることから、個々の能力に応じた家庭での訓練を指導しています。


5.最後に
     当院のリハビリの特徴は、早期より荷重を行い、筋力回復を進めながら、歩行の獲得や早期の社会復帰を目指すことです。さらに、徒手療法(筋肉に対するマッサージ)により術後の循環障害による痛みの改善を促し、歩行がしやすい状態を作り出しています。    また、手術側だけではなく反対側の足の痛みや、変形性関節症の影響から派生されると考えられる腰痛等に対しても徒手療法を施行し、痛みの軽減、運動機能の回復を行っています。このような総合的な治療を行うことにより、ほとんどの方が術後3週間で退院され日常生活へと復帰されています。







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